新しいアプリを入れようとしたとき、「このアプリは写真へのアクセスを求めています」といった表示が出て、そのまま許可してしまった経験はないでしょうか。断ると使えなくなりそうで、内容をよく読まないまま進めてしまう。これは多くの方に共通する行動です。
ストアに並んでいるアプリは審査を経て公開されていますが、それは安全性がすべて保証されているという意味ではありません。求める権限が用途に対して広すぎるものや、提供元の情報が乏しいものも混じっています。入れる前の数分で確認できることは、実は少なくありません。
この記事では、アプリを入れる前に見ておきたい提供元の情報、権限の考え方、レビューの読み方、そして入れた後の見直し方を編集部の視点で整理します。なお、端末の画面名やメニューの並びはOSのバージョンによって変わります。お使いの端末では名称が異なる場合がありますので、手順は大枠としてお読みください。
入れる前に、提供元の情報を確認する
いちばん手軽で、効果も大きいのが提供元の確認です。ストアのページには開発元の名称が記載されています。そこから提供元のサイトに移動でき、会社としての情報が確認できるかどうかを見ます。
見ておきたいのは、会社名や所在地が記載されているか、問い合わせの窓口があるか、プライバシーポリシーが読める形で置かれているか、という点です。編集部が掲載しているアプリでいえば、たとえばYahoo!乗換案内はLINEヤフー株式会社、CapCutはByteDance Pte. Ltd.、あすけんは株式会社askenというように、提供元が明示されています。こうした情報がすぐに確認できるかどうかは、判断の出発点になります。
もうひとつ確認したいのが、名称の紛らわしさです。よく知られたアプリと似た名前や似たアイコンで、まったく別の提供元が出しているものが並ぶことがあります。検索結果の上から順に入れるのではなく、提供元の名称が想定どおりかを見てから進めるのが安全です。提供元の公式サイトからストアへ移動する経路をたどれば、この取り違えはほぼ防げます。
プライバシーポリシーは長い文章ですが、全文を読む必要はありません。取得する情報の種類が書かれている箇所と、第三者に提供する場合の条件が書かれている箇所の二つに目を通すだけでも、そのアプリが何を集めるつもりなのかはおおよそつかめます。日本語で読める形で用意されているかどうかも、判断のひとつの目安になります。
権限は「用途と釣り合っているか」で判断する
権限を見るときの基準は、危険な権限かどうかではなく、そのアプリの用途に対して必要な範囲かどうかです。カメラアプリがカメラの権限を求めるのは当然ですし、乗換案内が位置情報を使うのも自然です。判断が必要になるのは、用途と結びつかない権限が含まれている場合です。
| 権限 | 自然に必要になる場面 | 説明がないと気になる場面 |
|---|---|---|
| カメラ | 撮影や読み取りを行うアプリ | 記録や計算だけを行うアプリ |
| 写真へのアクセス | 画像の加工や投稿を行うアプリ | 写真を扱う機能が見当たらないアプリ |
| 位置情報 | 地図、乗換案内、天気など | 位置と無関係な用途のアプリ |
| 連絡先 | 連絡先と連動する通話や共有機能 | 共有機能が見当たらないアプリ |
| マイク | 録音、通話、発音の判定など | 音声を扱う機能がないアプリ |
用途と結びつかない権限が求められた場合、まずはアプリの説明文やヘルプで理由が書かれていないかを探してみてください。将来追加する機能のために求めていることもありますし、説明のないまま求めている場合もあります。理由が見つからなければ、いったん許可せずに使ってみるという選択もできます。
近年のOSでは、権限を段階的に許可する仕組みが用意されています。位置情報であれば、常に許可するのではなくアプリの使用中だけにする。写真であれば、すべてではなく選んだものだけを渡す。こうした選び方ができる場合は、狭いほうから試すのが基本です。名称や選択肢の並びはOSのバージョンによって異なりますので、設定画面で該当する項目を探してみてください。
レビューは、点数より内容の傾向を見る
ストアの評価点は分かりやすい指標ですが、それだけで判断するのは危うい面があります。点数は投稿数の少ない時期に大きく動きますし、内容を読まなければ何を評価しているのかも分かりません。編集部が見ているのは、次のような点です。
- 低い評価の内容に、同じ指摘が繰り返し出ていないか。繰り返される指摘は実際の課題を示していることが多いです
- 指摘の対象が、機能の不具合なのか、料金や解約に関するものなのか
- 提供元が返信しているか。返信の姿勢からは、対応の丁寧さが読み取れます
- 更新の履歴が続いているか。長く更新が止まっているアプリは注意が必要です
- 短く似た文面の高評価が同時期に並んでいないか
料金や解約に関する指摘が多い場合は、機能そのものよりも契約まわりの分かりにくさが原因であることがあります。入れる前に無料の範囲を確認しておくと避けられることが多いので、アプリのサブスク課金を管理する方法もあわせてご確認ください。
入れた後も、定期的に見直す
権限は入れるときに決めて終わりではありません。更新によって新しい権限が求められることもありますし、一度許可したものが使われないまま残っていることもあります。半年に一度でよいので、見直す時間を作ることをおすすめします。
端末の設定には、権限ごとにどのアプリが許可されているかを一覧で見られる画面が用意されています。プライバシーやセキュリティに関する項目の中にあることが多く、名称は端末やバージョンによって異なります。この画面から、位置情報を許可しているアプリ、カメラを許可しているアプリといった単位で確認できるため、思い当たらないものを見つけやすくなります。
あわせて、使っていないアプリを整理しておくと管理が楽になります。使わないアプリが減れば、確認すべき権限も減ります。写真や動画のアプリは入れ替えが起きやすい分野ですので、選ぶ段階の考え方は写真加工アプリの選び方と、使うときに気をつけたいことも参考にしてください。
迷ったときに立ち返りたい考え方
ここまでの確認をしても判断がつかないことはあります。そのときに立ち返りたいのは、そのアプリに渡している情報が、外に出ても差し支えない範囲かという視点です。写真や連絡先、位置の履歴は、いずれも自分以外の人の情報を含みうるものです。
また、他のサービスのアカウントで登録する場合は、どの範囲の情報が渡るのかが画面に示されます。ここは流し読みしやすい部分ですが、渡す情報を選べることもありますので、目を通しておく価値があります。
安全性の確認は、完璧を目指すものではありません。提供元を見る、権限と用途を照らす、レビューの傾向を読む。この三つを習慣にするだけで、明らかに避けたほうがよいものは十分に見分けられます。移動や記録に使うアプリの設定については、乗換案内アプリの便利な使い方でも位置情報の扱いに触れていますので、あわせてご覧ください。
まとめ
- 入れる前に提供元の名称、問い合わせ窓口、プライバシーポリシーの有無を確認しましょう
- 権限は危険かどうかではなく、そのアプリの用途と釣り合っているかで判断します
- レビューは点数より内容の傾向を見て、繰り返される指摘と更新の状況を確かめます
- 入れた後も半年に一度は権限の一覧を見直し、使っていないアプリを整理しましょう
編集部では、掲載しているアプリを目的別に絞り込める一覧を用意しています。提供元の会社名や料金、無料で試せる範囲をそろえて確認できますので、入れる前に情報を整理したいときにご活用ください。
