家計の見直しを始めようとアプリストアを開いてみたものの、家計簿アプリの数が多すぎてどれを入れればいいのか分からない。そんな状態で立ち止まってしまう方は少なくありません。とりあえず評価の高そうなものを入れてみたけれど、数日で開かなくなってしまった、という経験をお持ちの方もいるはずです。
家計簿アプリは機能の細かな違いよりも先に、記録の仕方が「自動連携型」なのか「手入力型」なのかという大きな分かれ道があります。ここを自分の生活に合わない側で選んでしまうと、機能がどれだけ充実していても続きにくくなる傾向があります。逆に言えば、この一点を先に決めるだけで候補はかなり絞り込めます。
この記事では、ベストアプリナビ編集部が家計簿アプリを整理するときに使っている視点をまとめました。自動連携型と手入力型それぞれの考え方、向いている人の傾向、選ぶ前に確認しておきたいチェック項目、そして両方を組み合わせる方法まで順番に説明します。どちらが優れているかではなく、どちらが自分の家計管理の目的に合っているかを判断するための材料としてお読みください。
家計簿アプリは大きく二つのタイプに分かれます
ひとつめは自動連携型です。銀行口座やクレジットカード、電子マネーなどをアプリに登録しておくと、入出金の履歴がアプリ側に取り込まれ、日付や金額、店舗名などが自動で記録されていきます。カテゴリの振り分けもある程度は自動で行われるため、利用者がやることは取り込まれた内容の確認と、分類の手直しが中心になります。
ふたつめは手入力型です。買い物をしたあとに自分で金額とカテゴリを入力していく方式で、レシートを撮影して読み取らせるタイプもここに含まれます。入力の手間はかかりますが、その代わりに支出のひとつひとつを自分の手で確認することになるため、お金の使い方を意識しやすいという特徴があります。
実際のアプリは、どちらか一方だけということは少なく、自動連携を主軸にしつつ現金支出は手入力で足せる、といった構成になっているものが多く見られます。それでも「主役がどちらか」で使い心地は大きく変わります。まずは自分がどちらを主役にしたいのかを考えるところから始めるのがおすすめです。
自動連携型が向いているのはどんな人か
自動連携型が力を発揮しやすいのは、支払いの多くがキャッシュレスに寄っている方です。クレジットカードやコード決済、交通系ICなどで支払っている割合が高いほど、自動で取り込まれる情報の網羅性が上がり、手を動かさなくても家計の全体像が見えるようになります。
また、口座やカードの枚数が多い方にも合いやすい方式です。給与の口座、生活費の口座、貯蓄用の口座、そこにカードが数枚と証券口座、という具合に置き場所が分散していると、残高を把握するだけでもいくつものアプリを開くことになります。自動連携型はそれらをひとつの画面にまとめて表示できるため、確認にかかる時間を短くしやすいという利点があります。
一方で、自動連携型には注意点もあります。取り込まれた明細のカテゴリが実態と違っていることはよくあり、そのまま放置すると集計の意味が薄れてしまいます。月に一度でよいので、分類を見直す時間を取れるかどうかは考えておきたいところです。また、金融機関のIDやパスワードを扱う仕組みを利用することになるため、連携の安全性が気になる方もいるでしょう。この点については家計簿アプリの口座連携の仕組みと確認しておきたいことで詳しく整理していますので、あわせてご覧ください。
手入力型が向いているのはどんな人か
手入力型が合いやすいのは、現金での支払いがまだ多い方です。現金の支出は自動連携ではそもそも取り込めないため、キャッシュレス中心のアプリを入れても記録に穴が空きます。財布から出ていくお金を把握したいのであれば、自分で入力する方式のほうが結果的に正確になります。
もうひとつは、支出を減らすこと自体が目的の方です。自動連携型は「気づいたら記録が終わっている」のが利点ですが、裏を返すと使ったという実感が残りにくい面があります。手入力は入力するたびに金額と向き合うことになるため、無駄づかいのブレーキとして働くことがあります。数字を眺めるより、行動を変えたいという方には検討する価値があります。
さらに、金融機関の情報をアプリに登録すること自体に抵抗がある方にとっても、手入力型は現実的な選択肢です。連携を使わなければ登録する情報は最小限で済みます。掲載アプリでいえば、おカネレコは銀行連携なしで支出だけを記録したい方に向けた手入力式のアプリとして提供されています。
注意したいのは、入力の負担が続くかどうかです。最初の一週間は丁寧に記録できても、忙しい時期に数日空くとそのまま止まってしまうことがあります。入力にかかる時間が短いこと、開いてすぐ入力画面にたどり着けることは、手入力型を選ぶうえで見落とせない条件です。
タイプ別の特徴を並べて比べる
両者の性格の違いを表にまとめました。どちらが上ということではなく、目的によって噛み合う相手が変わる、という前提でご覧ください。
| 比べる観点 | 自動連携型 | 手入力型 |
|---|---|---|
| 記録の手間 | 初期設定を終えれば少なめ | 使うたびに入力が必要 |
| 現金支出の扱い | 別途手入力で補う必要がある | もともと得意 |
| 資産全体の把握 | 残高をまとめて見やすい | 把握しづらい場合がある |
| 節約への効き方 | 振り返りで気づく形 | 使う瞬間に意識しやすい |
| 登録する情報 | 口座やカードの連携情報が必要 | 最小限で始められる |
| 始めるまでの時間 | 設定にある程度時間がかかる | すぐ始められる |
選ぶ前に確認しておきたい五つのこと
タイプの見当がついたら、個々のアプリを見る段階に移ります。編集部が確認するようにしているのは次の項目です。
- 無料の範囲でどこまでできるか。連携できる口座数やデータの保存期間に、無料プランでは上限が設けられている場合があります。
- 有料プランの金額と支払い方式。月額なのか年額なのか、買い切りなのかで負担感は変わります。
- 入力や確認までの動線。アプリを開いてから記録を終えるまでのタップ数が少ないほど、日常に定着しやすい傾向があります。
- 共有の可否。夫婦や家族で家計を見るつもりがあるなら、共有機能の有無は先に確認しておきたい項目です。
- データの持ち出し。機種変更や乗り換えのときに、記録を書き出せるかどうかを見ておくと後で困りにくくなります。
料金は改定されることがあります。ベストアプリナビでは公式サイトの表示をもとに掲載していますが、申し込む前には必ず各サービスの公式ページで最新の内容を確認してください。掲載しているお金・家計簿カテゴリのアプリは、いずれも無料で使える範囲が用意されています。まずは無料の状態で数日使ってみて、自分の生活に馴染むかどうかを確かめる進め方が現実的です。
迷ったときは組み合わせるという考え方
どちらか一方に決めきれないときは、役割を分けて併用する方法もあります。たとえば、資産全体の残高把握は自動連携型に任せ、日々の細かい支出だけを手入力型で記録する、という分担です。二つ開くのは面倒に感じるかもしれませんが、それぞれの用途がはっきりしている分、どちらも中途半端になりにくいという面があります。
ただし、併用は管理する対象が増えることでもあります。最初から二本立てにするのではなく、まずは主役になりそうな一本を決めて一か月続けてみて、足りない部分が見えてきたら補う、という順番のほうが無理がありません。記録が途切れてしまいがちな方は、記録のハードルを下げる方法もあわせて参考にしてみてください。
なお、家計の把握ではなく資産の推移そのものを見たいという目的であれば、家計簿アプリとは別に整理したほうが分かりやすい場合があります。両者の役割の違いは資産管理アプリでできることと家計簿アプリとの違いで扱っています。
まとめ
最後に、この記事の要点を整理します。
- 家計簿アプリはまず自動連携型か手入力型か、記録の主役を決めると候補を絞りやすくなります。
- キャッシュレス中心で口座やカードが多い方は自動連携型と噛み合いやすい傾向があります。
- 現金支出が多い方や、使う瞬間に支出を意識したい方には手入力型が向く場合があります。
- 無料の範囲、料金、入力の動線、共有の可否、データの持ち出しの五点を確認してから決めると失敗しにくくなります。
ベストアプリナビ編集部では、掲載しているアプリを目的別に絞り込める一覧を用意しています。提供会社、料金、無料で試せる範囲を同じ形式で並べているため、気になるアプリ同士を横に並べて比べたいときの下調べに使いやすい構成です。
